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遺産分割における不動産の評価方法とは?

相続人間で遺産分割を行うにあたり、土地や建物などの不動産はどのような基準で評価すればいいのかと不安に思う方は少なくないでしょう。

今回は遺産分割における不動産の評価方法について考えていきたいと思います。

 

相続において不動産の評価額が重要な理由は?

 

相続財産の中で、不動産は特に評価額の算出が難しい財産です。

その評価額は、遺産分割時の公平性を保つためだけでなく、相続税の計算や、遺留分の算定にも大きな影響を与えるため、正確な評価が非常に重要になります。

評価額が低すぎると、後々のトラブルの原因となりかねません。

 

代償分割時の代償金に関わってくるため

 

代償分割とは、相続人のうちの1人が不動産などの特定の財産を単独で取得する代わりに、他の相続人に対し、その財産に見合う代償金を支払うという遺産分割の方法です。

代償金は不動産の評価額に基づいて算出されるため、評価が不当に低いと、代償金を受け取る相続人が不利益を被ります。

公平な代償分割を行うためには、不動産の評価額を正確に算出することが不可欠です。

 

遺留分の算定に関わってくるため

 

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に保障されている、最低限の遺産相続分のことです。

遺言書によって特定の相続人が不動産を取得したことによって自身の遺留分が侵害された場合、遺留分侵害額請求を行うことができますが、この請求額を計算する際にも、不動産の評価額が重要となります。

不動産の評価額によって、遺留分として受け取れる金額が大きく変わるため、正確な評価が求められます。

 

遺産分割における不動産の評価方法

 

遺産分割における不動産の評価方法には、様々な方法があります。

それぞれの方法には特徴があるため、どの評価方法を選ぶかが重要です。

 

不動産会社に査定を依頼する

 

不動産会社に査定を依頼する方法は、最も一般的で手軽な評価方法のひとつです。

不動産会社は、市場の動向や周辺の売買事例、物件の状態などを考慮して、売却した場合の想定価格を算出します。

この評価額は「時価」に近い価格となるため、遺産分割協議で公平な評価額として認められやすいというメリットがあります。

しかし、複数の会社に査定を依頼すると、評価額に差が出ることもあるため、いくつかの会社の査定額を参考にすると良いでしょう。

この方法は、比較的短期間で評価額を知ることができます。

 

不動産鑑定士に鑑定を依頼する

 

不動産鑑定士に鑑定を依頼する方法は、最も客観的で信頼性の高い評価方法です。

不動産鑑定士は、不動産の専門家として、土地や建物の状態、周辺環境、権利関係など、様々な要素を詳細に調査・分析し、鑑定評価額を算出します。

算出された鑑定評価額は、裁判などでも証拠として利用できるため、相続人同士で評価額について争いがある場合に有効な手段です。

ただし、鑑定費用が高額になることや、鑑定に時間がかかるというデメリットもあります。

相続人全員が評価額に納得できない場合に、この方法を選択することが多いです。

 

固定資産評価額で計算する

 

固定資産税評価額は、市町村が固定資産税を計算するために用いる、土地や建物の評価額です。

この評価額は、3年に一度見直され、固定資産税の納税通知書に記載されています。

評価額が明確であるため、相続人全員が納得しやすいというメリットがあります。

しかし、固定資産税評価額は時価よりもかなり低いことが多く、遺産分割で公平な評価額として認められない場合もあります。

あくまで遺産分割協議の参考として利用するのが一般的です。

 

路線価図などの相続税評価額で計算する

 

相続税評価額は、相続税や贈与税を計算するために用いられる評価額です。

土地の場合は、国税庁が定めている「路線価図」という地図を用いて、道路に面した土地の価格を計算します。

建物は、固定資産税評価額をそのまま用いることが多いです。

この評価額は、時価の約8割程度とされており、固定資産税評価額よりは時価に近いです。

相続税の申告で必ず必要となる評価額であるため、遺産分割協議でも利用されることが多いです。

しかし、市場価格とは異なるため、この評価額で公平な分割ができるかどうかは、相続人全員の合意が必要です。

 

公示価格で評価する

 

公示価格とは、国土交通省が毎年発表する、全国の主要な地点の標準的な価格のことです。

これは、一般の土地取引価格の目安として用いられます。

公示価格は、時価に近い評価額であるというメリットがありますが、全ての土地について公示価格が定められているわけではありません。

また、公示価格はあくまで「標準的な価格」であるため、個別の不動産の評価額としては不適切であることもあります。

そのため、遺産分割協議では、他の評価方法と合わせて参考程度に利用することが多いです。

遺産分割の評価方法は、相続人同士の合意が最も重要となります。

 

まとめ

 

今回は遺産分割における不動産の評価方法について考えていきました。

遺産に不動産がある場合、その算定方法はさまざまあり、どの方法にもメリット・デメリットが生じえます。

不動産を含む相続トラブルになりそうな場合などには弁護士への相談を検討してみると良いでしょう。

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齋藤 理英(さいとう りえい)

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相続、自己破産、離婚、交通事故、一般民事など幅広い分野の法律相談を取り扱っており、依頼者の利益の極大化を第一に考えています。

経歴
1965年 東京都(新宿区)出身
1988年 日本大学法学部政治経済学科卒業
1988年 米国(カリフォルニア州サンフランシスコ市)留学
1989年 一般企業(コンサルティングファーム)に就職
1997年 最高裁判所司法研修所入所(第51期)
1999年 司法修習修了、弁護士名簿登録(東京弁護士会)
2009年 当事務所開設
役職、所属団体等
1998~2014年 日本大学法学部司法科研究室非常勤講師
1999年~ 東京弁護士会倒産法部会会員
2003年~ 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員
2006年 東京弁護士会常議員(任期1年)
2006年 日本弁護士連合会代議員(任期1年)
2007~2009年 あずみ株式会社(名古屋証券取引所二部上場)社外取締役
2007~2010年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター暴力追放相談委員
2009~2017年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会副委員長
2009年~ 事業再生実務家協会会員
2009年~ エステールホールディングス株式会社(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役
2012~2016年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター不当要求責任者講習講師
2015年~ 株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役
2015年~2019年 日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員
2017年~2019年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長代行
2019年~2021年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長
2019年~ 府中刑務所篤志面接委員
2019年~ 鎌ヶ谷市情報公開・個人情報保護審査会委員
主な講演
・社内不祥事発生の際の、社内調査の方法とその限界
・クレーマー対策について~最近の具体例から業種別の対応策
・不動産賃貸業における暴力団排除
・暴力団排除条例施行に伴う実務対応について
・半グレ等のいわゆるグレー属性の実態と対応について
執筆
反社会的勢力リスク管理の実務(共著)
暴力団排除と企業対応の実務(共著)
離婚・離縁事件実務マニュアル改訂版(共著)
反社会的勢力を巡る判例の分析と展開(共著)
反社会的勢力を巡る判例の分析と展開II(共著)
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ゴルフ、読書、映画鑑賞、食べ歩き

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