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自己破産のメリット・デメリット

借金を返済できない場合に自己破産を検討する方もいらっしゃると思いますが、安易に自己破産するとあらゆる面で弊害が生じる恐れがあります。

この記事では、自己破産のメリットやデメリットについて解説します。

 

自己破産とは

 

自己破産とは、借金の返済ができない場合に、裁判所に申し立てて借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。

自己破産すれば、債権者の取り立てや借金の返済から解放されるなどのメリットがある反面、マイホームなどは換金されて債権者に分配されるので手元に残らないなどのデメリットもあります。

また、自己破産するには条件があり、以下の免責不許可事由に該当していた場合、手続きが複雑になったり、最悪の場合自己破産が認められないことがあります。

 

  • 破産手続や免責手続において虚偽の説明や陳述をした場合
  • 浪費やギャンブルによって借金を増やした場合
  • クレジットで購入した商品をすぐに換金して借金を増やした場合
  • 財産を隠したり、価値を減少させるような行為をした場合
  • 支払能力について債権者を欺いた場合
  • 過去7年以内に確定した免責許可決定を受けている場合

 

自己破産の3つのメリット

 

自己破産の主なメリットについて3つご紹介します。

 

借金を払わなくてよくなる

 

自己破産の最大のメリットは、借金を支払わなくても良くなることです。

裁判所から自己破産を認めてもらえれば、債権者も裁判所の決定に従わざるを得ません。

そのため、今までのような取り立てや督促もなくなるので精神的なストレスからも解放されます。

 

最低限生活できるだけの財産は残せる

 

自己破産は借金を免除する代わりとして、債務者の保有する財産をお金に換金して債権者に分配します。

ただし、すべての財産が差し押さえられるわけではなく、以下に該当する財産は残せます。

 

  • 99万円以下の資産
  • 価値が20万円以下の資産

 

自己破産したら手元に何も残らないイメージを抱えている方もいらっしゃいますが、生活に必要な最低限の財産は手元に残せます。

裁判所の判断にも寄りますが、車などは減価償却される資産であるため初年登録から7年経過していた場合には、資産価値がゼロと判断され、自己破産をしても手元に残せる可能性が高いです。

 

自己破産のデメリット

 

自己破産は、裁判所に申し立てれば必ずできるものではなく、裁判所に免責を認めてもらえなければ自己破産できません。

たとえ自己破産できたとしても、以下のようなデメリットがあるので注意してください。

 

一定範囲の保有財産は処分される

 

自己破産すると、不動産やマイカー、価値のある貴金属や骨董品など、一定範囲の財産は換金して返済に充てられる可能性が極めて高いです。

 

免責されない債務がある

 

自己破産しても免責されない債務は以下の通りです。

 

  • 税金
  • 国民健康保険料
  • 破産者の不法行為による損害賠償請求権
  • 預り金の返還請求権
  • 罰金
  • 婚姻費用
  • 養育費

 

上記に該当する「非免責債権」と呼ばれる債務は免責の対象外となっており、自己破産しても支払い義務は残ります。

 

ブラックリストに登録される

 

自己破産するとブラックリスト(個人信用情報機関に登録された事故情報)に登録されます。

ブラックリストに登録されると、基本的にはクレジットカードやローンの借り入れが利用できません。

また、ブラックリストの登録期間は510年となっているので、長期間は新規の借入ができないことは覚悟しておく必要があります。

 

官報で第三者に知られる可能性がある

 

自己破産すると官報(国の政策や国民の権利義務などを掲載した、国が発行する広報紙)に掲載されるので、第三者に知られる可能性があります。

掲載される内容は、自己破産者の氏名・住所・手続き内容などです。

官報は、一般国民が読むことはほとんどありませんが、念の為にデメリットとして覚えておく必要はあります。

 

自己破産したことで保証人に迷惑がかかる

 

借金したときに保証人をつけていた場合は、保証人に迷惑がかかります。

自己破産した本人は借金返済を免除されますが、その代わり、債権者は保証人に返済を求めます。

保証人が返済を求められた場合は、未払いの借金を一括で支払わなければなりません。

借金に保証人がいる際に自己破産する場合は、保証人に迷惑がかかることも考慮して、事前に保証人と話し合うことも必要です。

 

まとめ

 

今回は、自己破産のメリットやデメリットについて解説しました。

自己破産しても、すべての財産がなくなるわけではありません。

最低限の生活道具や生活に必要な金銭などは手元に残るので、新たにやり直せます。

借金の返済に関する悩みや困りごとを抱えているようであれば、法律の専門家でもある弁護士に相談することをおすすめします。

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齋藤 理英(さいとう りえい)

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「初回相談30分無料・御成門駅徒歩3分」齋藤綜合法律事務所は、お客様の立場にたったアットホームな法律事務所です。
相続、自己破産、離婚、交通事故、一般民事など幅広い分野の法律相談を取り扱っており、依頼者の利益の極大化を第一に考えています。

経歴
1965年 東京都(新宿区)出身
1988年 日本大学法学部政治経済学科卒業
1988年 米国(カリフォルニア州サンフランシスコ市)留学
1989年 一般企業(コンサルティングファーム)に就職
1997年 最高裁判所司法研修所入所(第51期)
1999年 司法修習修了、弁護士名簿登録(東京弁護士会)
2009年 当事務所開設
役職、所属団体等
1998~2014年 日本大学法学部司法科研究室非常勤講師
1999年~ 東京弁護士会倒産法部会会員
2003年~ 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員
2006年 東京弁護士会常議員(任期1年)
2006年 日本弁護士連合会代議員(任期1年)
2007~2009年 あずみ株式会社(名古屋証券取引所二部上場)社外取締役
2007~2010年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター暴力追放相談委員
2009~2017年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会副委員長
2009年~ 事業再生実務家協会会員
2009年~ エステールホールディングス株式会社(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役
2012~2016年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター不当要求責任者講習講師
2015年~ 株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役
2015年~2019年 日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員
2017年~2019年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長代行
2019年~2021年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長
2019年~ 府中刑務所篤志面接委員
2019年~ 鎌ヶ谷市情報公開・個人情報保護審査会委員
主な講演
・社内不祥事発生の際の、社内調査の方法とその限界
・クレーマー対策について~最近の具体例から業種別の対応策
・不動産賃貸業における暴力団排除
・暴力団排除条例施行に伴う実務対応について
・半グレ等のいわゆるグレー属性の実態と対応について
執筆
反社会的勢力リスク管理の実務(共著)
暴力団排除と企業対応の実務(共著)
離婚・離縁事件実務マニュアル改訂版(共著)
反社会的勢力を巡る判例の分析と展開(共著)
反社会的勢力を巡る判例の分析と展開II(共著)
趣味
ゴルフ、読書、映画鑑賞、食べ歩き

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