個人再生すると車も手放さないといけないか
個人再生手続とは、正確には民事再生法221条以下に規定される、小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則を利用した再生手続のことを指し、民事再生手続を個人の実状に合わせて簡易にした手続を意味します。
裁判所に申し立てをして、その再生計画が認可されれば、借金を大幅に減額させることができます。
その後は、大幅に減額された借金を、数年間(通常は3年間)かけて分割して支払っていくことになります。残りの借金は、免除されます。
よく比較される制度に自己破産制度がありますが、ここではそれぞれの違いに触れながら、個人再生について詳しく解説していきます。
■個人再生と自己破産制度の違い
まず、個人再生と自己破産制度では、①借金がどの程度減額もしくは免除されるのか、②財産が処分されてしまうのか否か、③資格制限(特定の資格を必要とする職業に就くことができなくなること)があるのか否か、の3つの点で異なります。
個人再生をすると車も手放さなければならないのか、という点については、②と関連します。
簡単に3つの点について説明をすると、まず①については、個人再生は再生計画に基づく大幅な減額とその残りの免除、自己破産は通常の場合は返済の義務がなくなります。
②については、個人再生は財産の処分はなく、自己破産の場合、換金価値がある高価な物は処分されてしまいます。
③については、個人再生に資格制限はなく、自己破産の場合、その手続き期間中のみ資格制限があります。
■個人再生をすると車も手放さなければならないのか
個人再生の場合には、財産が処分されてしまうことはありません。
一方、自己破産の場合、換金価値がある高価な財産については、破産管財人による財産処分の対象となってしまいます。
そのため、個人再生の方法を採れば、財産を失うことなく債務整理ができるという点で大きなメリットがあります。
しかし、個人再生においては清算価値保障原則があり、再生計画による弁済率は,破産の場合よりも有利なものでなければならないとされています。
つまり、財産が確保される分だけ債権者に分割で支払いをしなければないことになります。
したがって、基本的には個人再生をしても車を取り上げられるということはありません。
しかし、例外的に個人再生によって車を手放さなければならない場合もあります。それは、ローン支払い中の車です。
この場合、通常はローン会社に車の所有権が留保されていますから、個人再生をした際には、原則として車は取り上げられてしまいます。
但し、どうしても車を使用したいという場合は、車に留保された所有権を担保権と考え、裁判所の許可を得て別除権協定をローン会社と締結することも考えられなくはないので、その場合は弁護士に相談してみてください。
逆に、車を一括支払いの方法で購入していたり、ローンで購入しても支払いが済んでいたりする場合には、車を手放さずに済みます。
齋藤綜合法律事務所では、品川区にお住まいのお客様からのご相談も受け付けております。
債務整理によって、今抱えている借金が減額されたり、もしくは借金がゼロになったりする可能性もあります。
お悩みの際には、ぜひ齋藤綜合法律事務所まで、お気軽にお問い合わせください。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge
-
遺産分割調停
遺産分割協議が調わない時、遺産分割の調停を家庭裁判所に申し立てることができます。■調停の方法遺産分割の調停を裁判所に申し立てることができるのは、相続人です。調停分割においては、協議分割の当事者は、全員が申立人または相手方 […]
-
子供の養育費
養育費とは、子どもを育てるのに必要な費用のことをいいます。大事なことは、養育費は別れた配偶者のために支払われるお金ではなく、あくまで子どもが持つ権利であるということです。養育費は、親であれば当然負担しなければいけないもの […]
-
企業経営にまつわる法...
企業経営は、取引先や従業員との関係に関する問題や顧客との関係に関する問題など、非常に様々な法律が関連し、さまざまなトラブルが発生する可能性をはらんでいるということができます。以下、企業経営における代表的な法律問題について […]
-
FXや株式投資ででき...
株式投資やFX(外国為替証拠金取引)などによって発生した借金は、債務整理できるかどうか分からず、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。特に、昨今は株価も上昇基調にあり、投資初心者という方でも株式投資やFXをされて […]
-
審判離婚
審判離婚とは、離婚調停をしている夫婦が調停でも話がまとまらず、調停が成立する可能性が低い場合に家庭裁判所が調停に代え、審判により離婚を成立させるというものです。審判離婚は調停離婚の次の段階に位置付けられ、もう少しで合意に […]
-
相続分
相続分とは、相続人が複数存在する場合に、各共同相続人が被相続人の権利義務を承継する割合をいいます。(民法889条)■法定相続分と指定相続分相続分には、民法が相続分を指定する法定相続分と、被相続人(亡くなった方)が遺言によ […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword
弁護士紹介
Lawyer
齋藤 理英(さいとう りえい)
当ホームページをご覧いただきありがとうございます。
「初回相談30分無料・御成門駅徒歩3分」齋藤綜合法律事務所は、お客様の立場にたったアットホームな法律事務所です。
相続、自己破産、離婚、交通事故、一般民事など幅広い分野の法律相談を取り扱っており、依頼者の利益の極大化を第一に考えています。
- 経歴
-
1965年 東京都(新宿区)出身 1988年 日本大学法学部政治経済学科卒業 1988年 米国(カリフォルニア州サンフランシスコ市)留学 1989年 一般企業(コンサルティングファーム)に就職 1997年 最高裁判所司法研修所入所(第51期) 1999年 司法修習修了、弁護士名簿登録(東京弁護士会) 2009年 当事務所開設 - 役職、所属団体等
-
1998~2014年 日本大学法学部司法科研究室非常勤講師 1999年~ 東京弁護士会倒産法部会会員 2003年~ 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員 2006年 東京弁護士会常議員(任期1年) 2006年 日本弁護士連合会代議員(任期1年) 2007~2009年 あずみ株式会社(名古屋証券取引所二部上場)社外取締役 2007~2010年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター暴力追放相談委員 2009~2017年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会副委員長 2009年~ 事業再生実務家協会会員 2009年~ エステールホールディングス株式会社(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役 2012~2016年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター不当要求責任者講習講師 2015年~ 株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役 2015年~2019年 日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員 2017年~2019年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長代行 2019年~2021年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長 2019年~ 府中刑務所篤志面接委員 2019年~ 鎌ヶ谷市情報公開・個人情報保護審査会委員 - 主な講演
-
・社内不祥事発生の際の、社内調査の方法とその限界 ・クレーマー対策について~最近の具体例から業種別の対応策 ・不動産賃貸業における暴力団排除 ・暴力団排除条例施行に伴う実務対応について ・半グレ等のいわゆるグレー属性の実態と対応について - 執筆
-
・反社会的勢力リスク管理の実務(共著) ・暴力団排除と企業対応の実務(共著) ・離婚・離縁事件実務マニュアル改訂版(共著) ・反社会的勢力を巡る判例の分析と展開(共著) ・反社会的勢力を巡る判例の分析と展開II(共著) - 趣味
-
ゴルフ、読書、映画鑑賞、食べ歩き
事務所概要
Office Overview
名称 | 齋藤綜合法律事務所 |
---|---|
資格者氏名 | 齋藤 理英(さいとう りえい) |
所在地 | 〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-4 中田ビル3階 |
連絡先 | TEL:03-5776-5921 / FAX:03-5776-5924 |
対応時間 | 平日9:30~18:00(事前予約で時間外対応も可能です) |
定休日 | 土日祝(事前予約で休日対応も可能です) |
アクセス | 都営地下鉄 三田線 「御成門駅」より徒歩3分 東京メトロ 日比谷線 「神谷町駅」より徒歩6分 都営バス 橋86系統・浜95系統 御成門(御成門小学校前)停留所 徒歩1分 |