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交通事故における民事事件とは?刑事事件との違い

交通事故が発生すると、多くの問題が現れます。

交通事故の問題を解決するために、民事事件・刑事事件の2つの手続きが行われることがあります。

民事事件は、証拠に基づいて、どの程度の損害賠償を請求することができるのかを検討するものです。

話し合いで解決しない場合には、裁判を行うことで、判決が言い渡される流れとなります。

一方で刑事事件は金額ではなく、加害者の刑罰を決定するものです。

この記事では交通事故の民事事件について解説し、また刑事事件との違いについても解説します。

 

交通事故における民事事件

 

まず前提として、民事事件というのは私人間のトラブルのことです。

具体例としては、お金の貸し借りのトラブルや、不倫に関する慰謝料請求について、会社からの一方的な解雇などの問題が挙げられます。

基本的に当事者同士の話し合いによって解決をすることになりますが、折り合いが付かない場合、最終的にどちらの主張に正当性があるのかを裁判で判断することになります。

 

民事上の責任

 

交通事故における民事上の責任というのは、交通事故を起因としてひとを負傷させたり、ひとの所有物を損壊させたりした場合、加害者側が、被害者側の損害分を賠償することをいいます。

民法では、たとえわざとではなく過失であったひとに怪我をさせたり、所有物を壊したりなど。他人の権利を侵害するような行為をした場合には、不法行為にあたり、賠償責任を負います。

そのため、加害者は被害者へ、「交通事故が無ければ起きなかった」損害に限り、賠償しなければなりません。

交通事故の場合、怪我の治療費や事故の慰謝料、休業損害などが損害賠償金にあたります。

ただし、被害者に大きな過失がある場合には、その過失の度合いが考慮され、支払う損害賠償金が低くなったり、怪我をさせたひとに過失はないと判断され損害賠償金を支払わなくてもいいケースもあります。

交通事故の当事者の過失の度合いを示す言葉として、過失割合というものがあります。

交通事故では、当事者双方が負傷しているケースも十分考えられるので、怪我をしたから必ず被害者となるわけではなく、基本的に過失割合の高さによって加害者と被害者が決まります。

なお損害賠償に関しては、基本的に当事者同士、または加害者側の保険会社と話し合いで決めることになりますが、まとまらない場合には裁判になることもあります。

 

損害賠償について

 

実際に交通事故を起こしてしまった場合の損害賠償には、どのくらいお金を必要とするのか気になると思います。

任意保険に加入していた場合であれば、賠償金は保険でまかなえることが可能です。

任意保険に加入していないと、自賠責保険が適用する部分を除く全てが自己負担となります。

 

民事事件と刑事事件との違い

 

民事事件は、個人や企業間の争いを指し、交通事故に関しては損害賠償額について当事者間で取り決めることをいいます。

 

一方、刑事事件とは、検察が起訴するかを判断し、検察が提出した証拠や被告人から聞き取った内容、また証人の証言などから裁判官が有罪か無罪を判断することを指します。

民事事件と刑事事件の大きな違いは争う相手の違いです。

民事事件は上述のように私人間の争いですが、刑事事件は検察などの国家権力と被疑者の争いとなります。

 

交通事故における民事事件と刑事事件の大きな違いは争う目的と考えられます。

交通事故の民事で起きる争いは、慰謝料や過失割合など損害賠償する範囲をめぐって起こります。

 

一方、交通事故で刑事事件になる場合とは、自動車を運転している者が故意、または重大な過失によって危険運転を行ったり、ひき逃げ当て逃げなど事故が起こったときに当然行うべき義務を怠ったときに起こります。

なお、刑事裁判では損害賠償額は決まらず、被害者が賠償を求めるには別途示談や民事訴訟が必要です。

 

刑事上の責任

 

実際に交通事故が刑事事件になった際に起きる刑事上の責任というのは、どのようなものがあるのでしょうか。

 

まず、交通事故で人を死傷させてしまった時というのは、懲役最長20年の刑罰が課せられる場合があります。

また、自動車だけでなく自転車で交通事故を起こして加害者となった場合も、法律によって刑罰が科されます。

罰金で済む場合もありますが、運転の態様や、起こしてしまった結果次第で結果は異なるのです。

以下に例を挙げます。

 

■懲役になる可能性がある運転例

悪質な暴走運転、スピード違反、泥酔中の運転など

 

■罰金となることが多い運転例

安全確認を怠っての事故かつ被害者が軽傷、不注意による事故など

 

刑事事件と民事事件は別の手続きとなるため、同じ交通事故でも民事事件を進めている最中に刑事事件が別個で進んでいくこともあります。

なお、刑事事件の裁判でも被告になった場合には、裁判官や検察官に被告側の言い分を伝えることが可能です。

また弁護士に依頼をすることで、より効果的に自らの主張を伝えることが可能になります。

 

まとめ

 

交通事故の民事事件においては、民事上の責任を問われ賠償責任が発生します。

賠償責任は最初は当事者同士の話し合い、示談交渉で進んでいきますが、示談が成立しない場合、民事裁判となってしまうのです。

交通事故を起こした直後は不安に思うことも多く、またトラブルになってしまうことが予想されるような場合には、まずは弁護士に相談することを検討してみてください。

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齋藤 理英(さいとう りえい)

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相続、自己破産、離婚、交通事故、一般民事など幅広い分野の法律相談を取り扱っており、依頼者の利益の極大化を第一に考えています。

経歴
1965年 東京都(新宿区)出身
1988年 日本大学法学部政治経済学科卒業
1988年 米国(カリフォルニア州サンフランシスコ市)留学
1989年 一般企業(コンサルティングファーム)に就職
1997年 最高裁判所司法研修所入所(第51期)
1999年 司法修習修了、弁護士名簿登録(東京弁護士会)
2009年 当事務所開設
役職、所属団体等
1998~2014年 日本大学法学部司法科研究室非常勤講師
1999年~ 東京弁護士会倒産法部会会員
2003年~ 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員
2006年 東京弁護士会常議員(任期1年)
2006年 日本弁護士連合会代議員(任期1年)
2007~2009年 あずみ株式会社(名古屋証券取引所二部上場)社外取締役
2007~2010年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター暴力追放相談委員
2009~2017年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会副委員長
2009年~ 事業再生実務家協会会員
2009年~ エステールホールディングス株式会社(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役
2012~2016年 (公財)東京都暴力追放運動推進都民センター不当要求責任者講習講師
2015年~ 株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(東京証券取引所スタンダード上場)社外取締役
2015年~2019年 日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員
2017年~2019年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長代行
2019年~2021年 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会委員長
2019年~ 府中刑務所篤志面接委員
2019年~ 鎌ヶ谷市情報公開・個人情報保護審査会委員
主な講演
・社内不祥事発生の際の、社内調査の方法とその限界
・クレーマー対策について~最近の具体例から業種別の対応策
・不動産賃貸業における暴力団排除
・暴力団排除条例施行に伴う実務対応について
・半グレ等のいわゆるグレー属性の実態と対応について
執筆
反社会的勢力リスク管理の実務(共著)
暴力団排除と企業対応の実務(共著)
離婚・離縁事件実務マニュアル改訂版(共著)
反社会的勢力を巡る判例の分析と展開(共著)
反社会的勢力を巡る判例の分析と展開II(共著)
趣味
ゴルフ、読書、映画鑑賞、食べ歩き

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